真空に近い状態の槽の中で、原型となるマスターサンプル※をベースにシリコンの簡易的な型を製作し、その型に樹脂を流し込み、複製品を成型加工する製作手法です。
金型で成型するのと比較して、製作期間も短く、コストも抑えられます。
少量の試作品を作製するのに適しています。
※マスターサンプルとは、注型するのに必要なシリコンの簡易型を作るために用いられる完成品と同形状の原形品。
真空注型 製作プロセス
1.マスターサンプルを作製する ※
2.マスターサンプルの大きさに合わせ型枠を組みたてる
3.真空槽でシリコンを流し込む
4.減圧・脱泡後、所定時間温度管理された恒温槽で硬化させる
5.硬化後、シリコン型よりマスターを取り出す
6.シリコン型に製品材料(ウレタンなど)を流し込む
7.硬化後、シリコン型より製品を取り出す
8.製品をゲートカットして仕上げて完成
※光造形、または切削加工で作製します。すでに現物がある場合はそちらを加工してマスターサンプルとすることもできます。
こんな場合に最適
●意匠検討段階でカラーのバリエーションの試作を作製したい
●複数個(5~50個)製作するのに、金型や切削と比較してコストを抑えて、
納期を短くしたい
●営業サンプルや展示会・ショーで使用するため見栄えのいい試作品が複数個欲しい
マスターをいかに仕上げるかによって出来栄えに差がでる
シリコン型はマスターサンプルの反転性が良く、エンボスやシボ目も忠実に再現されます。
つまり、マスターサンプルの仕上がりが高ければ、注型品できれいな外観面を出すことができます。
マスターサンプルは光造形や切削で作製し、その後熟練職人によるハンドワークで丁寧に仕上げます。
↑ シリコン型(左)とマスターサンプル(右)
マスターサンプルの魚眼レンズの細かい凹みも、シリコン型にきれいに反映されます。
反転性がいいため、マスターに指紋のようなものがあってもシリコン型にうつってしまいます。
↑ マスターサンプル(左)と注型品(右)
マスターサンプルの魚眼レンズの部分は、切削加工で別途作製した後にはめ込まれています。
熟練職人のハンドワークによって丁寧に接着されているため、マスターサンプルをじっくり見ても張り合わせた跡はほとんど目立ちません。逆にマスターの仕上げが悪いと、それがシリコン型に反映されるため、出来上がってくる注型品にも接着跡が出るなど、汚い仕上がりになってしまいます。
詳しい情報は以下の別資料をご覧ください
真空注型資料
●資料1
匠とデジタルの融合~アークイチ押しゴム型の成型法「真空注型」~
アークでは、デジタル技術であるCAD/CAMや3Dプリンター(光造形・粉末造形)を一つのツールと位置付け、長年培ってきた匠の技術(研磨・接着)と融合させることにより、デジタル技術だけでは不可能であったモノづくりを 実 現しております。その特長的な工法が真空注型です。
真空注型の事例を中心に紹介しています。
●資料2
試作を複数個 製作する際のコストダウン技術
試作品を複数個欲しいときコストダウンできる「真空注型」について、その加工方法を図解したり、どのようなコストメリットがあるのかについて説明しています。3~20個の試作品を作成したい方に必見の情報です。
●資料3
真空注型でウレタンゴムのキャスティングができます
一世風靡した1990年頃のテンキーゴムボタン付きの携帯電話を覚えている方も 多いと思います。 現在ではスマートフォーンが主流でキーボタンは無くなってしまいましたが、 そのキーボタンや電源キャップなどゴム部分の試作を 当社では注型の技術を用いて数多く作りました。そのご紹介です。
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